損益計算書
簡単な説明書きを加えた決算書風な表にしてみました。※数字は適当です。
科目 | 金額 | 説明書き |
---|---|---|
売上高 | 1000 | 本業での収益。利益の源泉 |
売上原価 | 400 | 売上高を得るための費用(経費) |
売上総利益 | 600 | 粗利。売上高−売上原価 |
販売費及び一般管理費 | 350 | 販売関連の経費 |
営業利益 | 250 | 本業で得た利益。総利益−販管費 |
営業外収益 | ||
受取利息 | 5 | 有価証券から発生する利息 |
為替差益 | 5 | 外貨建て取引における為替変動で生じた利益 |
有価証券売却益 | 10 | 有価証券売却で発生した利益 |
受取賃貸料 | 10 | 所有資産貸付における利益 |
その他 | 20 | |
営業外収益合計 | 50 | 本業以外での収益 |
営業外費用 | ||
支払利息 | 5 | 借入金に係る利息 |
為替差損 | ー | 外貨建て取引における為替変動で生じた損失 |
株式交付費 | 15 | 株式発行、処分に要した費用 |
手形売却損 | 10 | 手形の額面金額と受け取った手形額との差額 |
その他 | 10 | |
営業外費用合計 | 40 | 本業以外での費用 |
経常利益 | 260 | 営業利益+営業外利益−営業外費用 |
特別利益 | ||
固定資産売却益 | 20 | 簿価より高い価格で固定資産を売却したときの収益 |
投資有価証券売却益 | 10 | 簿価より高い価格で有価証券を売却したときの収益 |
特別利益合計 | 30 | 偶発的に発生した利益 |
特別損失 | ||
固定資産売却損 | ー | 簿価より低い価格で固定資産を売却したときの損失 |
固定資産除去損 | 10 | 不要固定資産の撤去処分損失 |
災害損失 | ー | 自然災害、火災等による損失 |
特別損失合計 | 10 | 偶発的に発生した損失 |
税引前当期純利益 | 280 | 経常利益+特別利益−特別損失 |
法人税、住民税及び事業税 | 84 | 支払義務のある税金 |
法人税等調整額 | △4 | 一時差異発生時の税調整額 |
法人税等合計 | 80 | |
当期純利益 | 200 | 純粋な利益 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 4 | 子会社の非支配株主に帰属する部分の振替額 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 196 | 非支配部分の利益を引いた純粋な利益 |
包括利益計算書 | ||
当期純利益 | 200 | |
その他の包括利益 | ||
その他有価証券評価差額金 | 50 | 長期保有目的の有価証券の取得価格と時価価格との差額 |
為替換算調整勘定 | 50 | 為替変動による海外資産価値の増減額 |
退職給付に係る調整額 | 10 | 計算上の差異調整額 |
その他の包括利益合計 | 110 | 保有資産の時価評価額 |
包括利益 | 310 | 純利益と資産の時価換算額合計 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 304 | 親会社株主に帰属する利益部分 |
非支配株主に係る包括利益 | 6 | 非支配株主に帰属する利益部分 |
↓簡略図↓
売上高 | 売上原価 |
売上総利益 | 販管費 |
営業利益 | 法人税 |
純利益 |
上図に営業外損益と特別損益を加えただけです。さらに包括利益(時価換算分の損益)を加えたものが損益計算書。
販管費や固定資産売却等の内訳は決算書内に記載されているので、要確認。(販管費の内訳は損益計算書内に書かれている場合もある。)特に、販管費は従業員の給与や、研究開発費等が含まれているので重要。利益がしっかり、給与もしっかりなら質の高い従業員が多い可能性が高く、研究開発費が高ければ同業他社との競争が激しい可能性が高い。
見るべきポイント
- 売上高総利益率
- 売上総利益÷売上高で、取扱製品や商品の収益力をみる。上記表、総利益600、売上高1000なので、600÷1000=0.6、高ければ高いほど強い収益力を持っている。原価400で仕入、1000で売ったということ。バフェット氏についての文献によると、この数字が2割(20%)以下の企業は、たいてい競争の激烈な業界に属しており、競争優位性を持たないようだ。
- 売上高営業利益率
- 営業利益÷売上高で、本業活動での利益効率をみる。上記表、営業利益250、売上高1000なので、250÷1000=0.25、裏を返せば原価と販管費(経費)に0.75掛かった。経費は一貫して低いほうが望ましい。
- 一株あたり利益
- 税引き後当期純利益÷発行済株式数で、通称*EPS。上記表、純利益200、発行済株式数10(単位:百万)ならば、200÷10=20、過去の一株あたり利益の推移をみていくと、利益が安定しているかみえる。※決算書内に記載されているので計算しなくてもわかる。
- 法人税額
- 税引前純利益×法人税率で、税額がおおよそ合っているかをみる。上記表、税引前純利益280、法人税率30%と仮定、280×30%=84、法人税率は変わることがあるので、その都度確認。実際計算するとピシャリと額面と合わないので、おおよそ合っていればよいかと…(管理人が素人なんです泣)税引後利益と照らし合わせ、数字が合っていれば問題なし。結構ズレがあるなら、注意深く調べる必要がありそうだ。
- 資産(資本)利益率
- 利益÷資産(資本)で、企業の活動効率性をみる。利益÷総資産=総資産利益率(*ROA)。純利益÷株主資本=株主資本利益率(*ROE)。高ければ高いほどよいとされている。※四季報にこの2つは記載されているので、計算しなくていいかも。あとは、利益÷総資本=総資本利益率(*ROC)。※資本は事業投下するために集めた額と考えるとよいかも。株主資本と社債や借入の合計額といった具合。